拝啓ポール・ウェスターバーグ様
今週のお題「あの人へラブレター」
お題あったから書いてみることにしました。
拝啓ポール・ウェスターバーグ様
ポール、お元気ですか。
私は日本に住み、あなたの音楽を聴いている者です。
映画adventurelandのオープニングでbastards of youngを聴いた時の衝撃を忘れられません。
家庭や学校、苦しい環境にいた高校時代の私がすがるように聴いていたあなたのアルバムTimがなければ、私はだめだったかもしれません。
どこにいてもしっくりこない私がやっと見つけた居場所はあなたの音楽の中でした。
誰にも教えたくない大好きなバンドです。
どうにかしてライブを観たいと思って調べた頃には、再結成のあと解散していましたね。
それでも今、この同じ時代を生きているのだと思うとたまらなくうれしいのです。
私たちに音楽をありがとう!
敬具
ナンセンスな質問
古着屋さんでバンT見てると、
「なに聴くんですか?」
と尋ねられることがある。
こういうとき、私はうっ、と思う。
何年代を聴くかと言われれば80年代、でもまあ70年代も聴く。90年代も聴かないわけじゃないし。
ていうかそもそもこのバンドって言えるやつを同世代に認知してもらえたことがない。
あと、「へえ、この人はこんな見た目でこんな音楽聴いてるのか、面倒くさそうな人だな」とか「知らないから話広がらんな」なんて思われるのではという被害妄想で、激しく緊張する。
それともう一つ、私にとって好きな音楽を赤裸々に語ることは、自分の閉ざされた世界をどうぞと人に見せることと同じだからだ。
私の携帯のプレイリストは、私の日記と同じくらいプライベートなもの。
私っちゅー人間は、こういう音楽で形成されてますよって人に言うなんて、裸でも見せる気分。
これは映画を観るのが好きと言った時にも起こる現象。
これまた古い映画が好きなので、昔の映画が好きですというと、
「どんなの観るの?私はチャップリンかな」
とか言われた時なんか、もう参った。
アメリカンニューシネマ、死霊のしたたりやフロムビヨンドみたいなネチャネチャホラー。
あと、オカマの映画は大体好きです。
でもさ、初対面の人に「チャップリンが好き」っていうのと「オカマの映画が好き」っていうのとじゃ、どちらが無難?
嗜好を教えるのって、結構ハードル高い。
昔自分の描いた漫画も、結構うまく出来てたのに、自分の世界が詰まってるから誰にも見せられなかった。
恥ずかしいし、自分の大切な世界が安っぽく侵される感じが許せなかった。
多分私の作った壁は他の人より何倍も厚くて高いんだろうなーと思う。(進撃の巨人のやつくらい)
いつからこんなんなったんだろなあ。
でも本当はこういうマニアックな自分がめっちゃ好きでアピールしたい気持ちも同じくらいあって、分かってくれそうな人が出てきたらとっても嬉しいんだよなあ。
だから、聴いてる曲をインスタに上げてしまう。
し、バンTとかも着る。
人見知りがすごい人って、その分承認欲求も強いよね。
大学の頃、同じ講義を取ってる大人しい男の子がCDショップかなんかでもらったシガーロスのチラシを落としたのを拾ってあげた。
映画で偶然、2曲くらいしか知らなかったけど、「ヨンシーって人のやつ?」ってふと声かけたら、次の授業で自分で作ったオススメ曲CD渡された。
サニーデイ・サービスとか、なんかそういう類の。
ありがうと言って受け取ったけど、なぜか聴けなかった。
今年は内向的な性格を治したいなあ。
もう成人してるから無理か。
ロックスター
いい音楽を聴いてると自分と重なる部分があると感じるけど、これはみんなそうなんだろうと思う。
具体的なことを歌っているようで全ての人に通ずること、そういうものを文章に出来る人って、すごい。
素敵な歌を書く人は完璧な人じゃなさそうなところも好き。
ロックスターが若くして死んで神格化されることがあるけど、そもそもクリエイティブなものを作るのって負のエネルギーが必須なんじゃないか。
好きなミュージシャンのことを調べると、内向的な人、破天荒で社会性の乏しい人のどちらかを言われてるやつが多い。
そういう人は、いわゆるノーマルな人と築けなかったコミュニケーション、社会的にはみ出してしまう不安感を作品やらに吐き出しているのかなって。
スミスのモリッシーとか完全にノーマルじゃないけどそこにときめいちゃう人が沢山いたわけで、社会不適合なアブノーマルを体現しちゃったらカリスマ性を持ったって言うところにノーマルなふりして疲れきってる人が憧れてんのかなって
私もそうなのかなって思う。
カート・コバーンが商業主義や偶像化を毛嫌いし、ずっと譲れないものに固執してゆっくり壊れてしまったところに神秘性みたいなの持ってる人も少なくないと思う。
ライ麦畑でつかまえてがバイブルな人って沢山いるでしょ。(私がそうなんだけども)
世の中って8割くらい人の悪口で作った人間関係で出来てる気がする。すごい脆い。
人の容姿を馬鹿にしたりその場にいない人の噂話をすることで、作った絆ってなんなんだろう。
私はそういう人でありたくない、容姿や価値観全て、マジョリティの人と違うことはすべて魅力だと思いたい。
マイノリティでいると本当に生きづらい世の中だけど、私はロックスターと同じなんだってしょうもないことを思って正気を保っている。